御祭神とご神徳
小國神社の御祭神・**大己貴命(大国主命)**は、日本神話において国造りの神として知られ、農業・林業・医療・鉱業など多方面にわたる技術を人々に授けたと伝えられています。
また、天孫に国土を譲ったことから「国土開発」「福徳円満」「縁結び」「開運厄除」の神として信仰されており、広く「だいこくさま」として親しまれています。
その神格は多くの別名を持ち、大国主命・国作之大神・大穴牟遅神・大物主神・大国玉神・葦原醜男命など、多面的な神徳を象徴しています。
社名と創祀
「小國(おくに)」の名は、「神を祀る神聖な場所」を意味します。
創建は神代の時代と伝えられ、延宝8年(1680)の社記によれば、欽明天皇16年(555)2月18日に本宮山に御神霊が鎮まり、人々が祭祀を始めたとされます。
その後、山麓の現在地に社殿を造営し、**大宝元年(701)**に勅使が奉幣し、「古式十二段舞楽」を奉奏しました。これが現在まで続く国指定無形民俗文化財の舞楽の起源です。
戦国時代の災厄と再建
元亀3年(1572)、徳川家康が戦勝祈願ののち火を放ち社殿は焼失します。
しかし、天正3年(1575)、願いが叶った家康は家臣・本多重次に命じて本社を再建。以後も歴代将軍によって社殿の改築や修復が続きました。
**慶長8年(1603)**には朱印地590石を寄進され、**元禄10年(1697)**には綱吉公の命で社殿改築、**寛保元年(1741)**には吉宗公より修復料を賜るなど、幕府の厚い庇護を受けました。
近代の火災と復興
**明治6年(1873)**に国幣小社に列格。
**明治15年(1882)**に火災で社殿を焼失しますが、明治19年(1886)に出雲大社の図面を借りて再建。本殿は総檜皮葺きの大社造で、出雲大社の約半分の規模を誇ります。
**令和2年(2020)**には「檜皮採取・檜皮葺」技術がユネスコ無形文化遺産に登録されました。
皇族の御参拝
平成15年(2003) 秋篠宮文仁親王殿下・紀子妃殿下ご参拝
平成18年(2006) 神宮祭主池田厚子様ご参拝
平成29年(2017) 高円宮妃久子殿下ご参拝
本宮と祭典
北方約6kmの本宮山山頂(標高507m)には、荒魂を祀る「奥宮・奥野戸神社」が鎮座。
例祭(大祭)は4月中旬に行われ、古式十二段舞楽と神幸祭が斎行されます。
また、祈年祭・新嘗祭・疫神祭・大祓式など、年間を通じて豊穣と平安を祈る祭典が続きます。
特殊神事と宝物
古式十二段舞楽:大宝元年(701)起源、国指定無形民俗文化財
田遊び神事:鎌倉時代創始、国選択無形民俗文化財
宝物:徳川家康奉納の三条小鍛冶宗近銘の太刀二振、大身槍、経塚出土古鏡・経筒、遠州報國隊の感状など。
まとめ
小國神社は「遠江国一宮」として、古代より国家の安泰と五穀豊穣を祈る中心的な神社でした。
「だいこくさま」の名で親しまれ、今もなお人々に福徳と縁結びを授ける神として厚く信仰されています。四季折々の自然に囲まれた広大な境内は、「癒しの斎庭」として多くの参拝者が訪れる聖地です。
